【NY市場】強い米雇用統計やISM指数もドル高はさほど強まらず

 きょうのNY為替市場、この日発表になった米雇用統計やISM指数が予想を上回る強い内容となった。米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が22.3万人と予想を上回ったほか、注目の平均時給も前年比2.7%と予想を上回っている。今月のFOMCでの利上げ期待を追認する内容でもあり、あと3回の利上げの可能性も高める内容ではある。  為替市場も素直にドル買いで反応したものの、何れも戻り待ちの売りに押される展開も見られている。市場の関心が通商問題や欧州の動向など政治に向かっており、ファンダメンタルズに向いていない面もあるものと想像される。イタリアでは「五つ星運動」と「同盟」が推奨したコンテ氏がイタリア首相に宣誓就任しており、再選挙は回避の情勢。イタリアへの警戒感は後退しているものの、トランプ政権の通商政策が相場に影を落としており、本格的な貿易戦争へ発展しないか警戒感も高まっている。  為替市場もファンダメンタルズの動向に素直に反応できない面があるのかもしれない。  ドル円は指標発表後に一時109.70円近辺まで上昇し、本日の21日線付近まで上昇したが、上値を拒まれている。ただ、米株や米国債利回りも上昇しており下値はサポートされている状況。21日線の水準と心理的節目の110円、そして、200日線が110円台前半に来ており、目先の上値レジスタンスとして意識される。  なお、トランプ大統領と北朝鮮の金英哲・朝鮮労働党副委員長とのホワイトハウスでの執務室での協議が終了し、トランプ大統領は米朝首脳会談をシンガポールで6月12日に開催すると発表。ドル円もややポジティブな反応を見せていた。  ユーロドルは一時1.16台前半まで下落する場面も見られた。ただ、動きが一巡すると直ぐに切り返しており、下値ではショートカバーが根強く出ている様子もうかがえる。特段ユーロを買う材料は無さそうだが、イタリアでは「五つ星運動」と「同盟」が推奨したコンテ氏がイタリア首相に宣誓就任し再選挙は回避されそうな情勢。イタリアへの警戒感は後退している。  今週はイタリアの騒動でユーロがやや下げ過ぎていた面もあるようだ。過熱感を示すテクニカル指標のRSIは週前半に一時20を下回る場面も見られていた。RSIが20を下回るのは2015年のギリシャ危機以来で、現在とは雰囲気がかなり違っており、完全に行き過ぎとも思われる。なお、きょうのRSIは35付近まで戻している。  なお、新財務相に指名されたトリア氏はローマの大統領官邸で、「イタリアにはユーロ離脱を望むと表明している政治勢力はない」と述べていた。  ポンドドルは買い戻しが続き1.33ドル台半ばまで上昇。ポンド円も一本調子の上げを続けており、146円台前半まで戻している。  ロンドン時間に発表になっていた5月の英製造業PMIは予想を上回る内容となっていた。第1四半期の景気減速からの回復の証拠を待っている市場にとっては朗報だったが、それをもって積極的にポンドを買い上げるモメンタムまではなく、もう少し数字を確認したい意向のようだ。来週は建設業やサービス業のPMIの発表が予定されており注目される。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美