【NY市場】ドル円は一時110.65円まで上昇 貿易懸念一服で株高がサポート

 きょうのNY為替市場、貿易問題への懸念が一服しており米株式市場も反発する中、ドル円は底堅い動きを維持している。貿易問題については具体的な材料はないが、米財務省が明日、対米投資の制限に関する報告書を公表すると見られており、その内容を確認したい雰囲気もあったようだ。米国への投資規制に関しては、当初市場が警戒していたよりは緩めの内容になるとの期待感も出ている。  前半のドル円は200日線を軸に上下動していたが、ダウ平均が上げ幅を伸ばす中、後半になって買いが強まり110.65円付近まで一時上昇した。目先は直近高値の110.85/90円水準が上値メドとして意識される。  ユーロドルは後半になって伸び悩み、1.15ドル台半ばに値を落としている。ロンドン時間には1.1530ドル近辺まで下落していたが、NY時間にかけて買い戻しが優勢となった。ただ、1.16ドル台は強い上値抵抗となる中、後半に戻り売りに押された格好。  きょうからEU首脳会談が開催されている。政治リスクは米国の貿易問題だけではない。ドイツもそのリスクにさらされている。首脳会談では難民・移民問題が協議される予定だが、難民受け入れに対して東欧諸国の反対が根強くEU全体での合意形成は難しい情勢。欧州理事会が首脳会談の会見中止を発表していたが、議論が難航している様子もうかがえる。  内容次第ではメルケル首相の連立政権が崩壊する可能性も指摘されており、ドイツの政局が不安定化するリスクが留意される。  ポンドは序盤こそ買い戻しが先行したが、後半に入って戻り売りが出ている。きょうは一時1.3050ドル近辺まで下落し、昨年11月以来の安値を更新していた。EU離脱交渉とメイ政権への不透明感がポンドを押し下げている。やや下げ過ぎ感も出ており、過熱感を示すRSIは下げ過ぎの基準となっている30を下回ってきた。  ポンドもEU離脱交渉に絡んだ政治リスクを抱えているが、8月の利上げ期待はなお温存されており、短期金融市場では66%程度の確率で推移している。ただ、8月利上げが見送られそうな流れが出れば、あと1~2%は下落するとの見方もあるようだ。心理的節目の1.30ドルを維持できるか目先は注目される。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美