【NY市場】ドル円はナバロ発言で急速に買い戻し

 きょうのNY為替市場、貿易問題への懸念が根強い中、ドル売りが優勢となった。米政府が中国企業による米国の重要産業への投資を抑制しようという動きが伝わっている。トランプ政権は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて、新エネルギー車やロボット、航空宇宙などの分野の米企業に対する中国の投資は米国の経済・国家安全保障への脅威だと宣言する意向。ムニューシン財務長官が29日の金曜日にも提案する予定。  ドル円は序盤に買い戻しも見られたものの上値の重い展開が続いた。一時109.35円近辺まで下落したが、終盤になってナバロ米国家通商会議(NTC)が米CNBCのインタビューで、「トランプ政権の通商政策は誤解されている。中国も他国からも米国への投資規制の計画はない」と市場に落ち着くよう求めたことで、数分間に約50ポイント急上昇し一時110円台を回復する場面も見られた。  先週、米商品先物取引協会(CFTC)が発表した6月19日付けのIMM投機筋の建玉報告によると、ドルのポジションは2017年6月以来の水準に拡大した。一方で円の売り越しが大きく拡大していたことも特徴的だった。この週はFOMCやECBがあった週で投機筋は積極的にドルを積み上げたものと見られる。一旦、大きなポジションンの偏りが起きると、そう簡単には解消しない傾向もあるが、きょうはその展開にはなっていなかった。  米保護主義への懸念から為替市場はドル売りの反応を見せているが、貿易問題が本格的にエスカレートするようであれば、安全資産への逃避から逆にドル買いに変化するとの見方もあるようだ。ただし、その場合でも円高がドル円を圧迫するとの見方も同時にある。いずれにしろ、現在のドル円は株にらみの展開となっており、ひとまず落ち着くのを待ちたいところ。  ユーロドルは買い戻しが続き1.17ドル台を回復。ユーロ自体の買い材料はないが、米保護主義への警戒感によるドル売りがユーロドルを押し上げた。きょうの上げで21日線を回復しており、明日以降の動きが注目される。  ただ市場からは、現時点での1.17ドル台への戻りは時期尚早で、短期的には戻りのピークに接近との指摘も聞かれる。きょうもECB理事の発言が伝わっていたが、利上げは来年の秋以降との言及もある中、米とユーロ圏の金融政策の格差は更に拡大が予想され、ユーロドルの上値を抑えると見ているようだ。  ポンドも買い戻しが優勢となり、1.32ドル台後半に上昇。21日線が1.33ドル台前半に来ており目先は意識される。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美