【NY市場】イタリアの政局混迷でリスク回避の円高強まる

 きょうのNY為替市場はイタリアの政局混迷に市場はリスク回避の雰囲気を高めている。イタリアのマッタレッラ大統領は、IMF元高官のコッタレッリ氏を暫定首相に指名し、2019年予算案の通過と来年初旬までに再選挙を実施するよう命じた。「五つ星運動」と「同盟」が次期首相に指名したコンテ氏が前日、財務相の人選を巡って大統領と合意できずに組閣を断念している。  早ければ夏にも選挙との報道も流れる中、市場はリスク回避の雰囲気を強めた。なかには事実上のユーロの賛否を問う選挙との指摘も出ている。これらの問題については2016年の仏大統領選で盛り上がったが、結局、マクロン現大統領が勝利し沈静化していた。しかし、常にユーロ圏の潜在的リスクとして残ってはいた。  今回は市場もイタリア政治がここまで混迷するとは思っていなかったであろう。不意をつかれた格好で一気にリスク回避に動いているようだ。選挙結果が判明するまではこの雰囲気は続く可能性も留意する必要がありそうだ。  ドル円はNY時間にかけて買い戻しも見られたものの、終盤になって、米株式市場でダウ平均が500ドル超下落する中、戻り売りに押される展開。一時108.10円近辺まで下落。その後はショートカバーも入って108円台半ばの水準まで戻している。  ユーロの下落が目立つ。ユーロドルは一時1.15ドル台前半、ユーロ円も125円ちょうど付近まで一時下落した。「五つ星運動」のディマイオ党首が、連立のための政策で「ユーロ離脱を想定したことは一度もない」とのSNSへの投稿をきっかけにNY時間にかけて買い戻しが見られたものの、上値での戻り売り圧力は強まっている。  今回の件で市場からは1.10ドルまでの下げの可能性も指摘され始めている。再選挙を実施しても、ポピュリスト政党が勢力増すリスクもあり、そうなるとユーロ離脱に向けた国民投票も現実味を増すと見ているようだ。  ポンドも売りが優勢となり、ポンド円は一時143.20円付近まで下落した。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美