【NY市場】ECB理事会を受けユーロ急落 ドル円は買い戻し

 きょうのNY為替市場はECB理事会を受けてユーロの戻り売りが加速する一方、ドルは買いが強まった。理事会では予想外に資産購入プログラム終了に向けた具体策が発表された。ただ一方で、来年の夏まで金利は据え置くとのコミットも同時に発表されたことで、市場は逆に慎重な雰囲気を強めた。来年の上半期には利上げに着手との見方も多かっただけに、夏までコミットしたことはネガティブな印象が強かったようだ。  ユーロドルは発表直後に1.1850ドル付近まで上昇したものの、そこから250ポイント超急落し、1.15ドル台まで急落している。きょうの反応に早速、市場からは弱気な見方が相次いでいる。向こう数週間で、先月安値の1.1510ドル付近まで下落し、1.15ドルを割り込めばショートカバーが入るとのシナリオや、9月までに1.10ドルまで下落との見方も出ていた。  一方、ドル円は上昇し110.70円付近まで一時上げ幅を拡大。前日のFOMCは予想外にタカ派な雰囲気だったものの、トランプ政権が中国にして、猶予していた関税適用を検討との報道に急速に戻り売りに押されていた。きょうのECB理事会へのリスクもあって、ドル円は利益確定売りが強まり、ロンドン時間には110円を割り込む場面も見られた。  ただ、ECB理事会を受けユーロに対してドルが買われたことから、ドル円にも波及。更にこの日発表になった5月の米小売売上高が予想を上回ったことで買い戻しに拍車をかけている。  きょうの200日線は110.25円付近に来ているが、その水準を再び回復しており、上値期待はなお温存されている格好。目先は5月高値の111.40円を試すか注目される。前日上値抵抗となった110.85円付近が上値レジスタンスとして意識される。  なお、トランプ大統領はきょう、中国への関税措置を実施するかどうか通商チームと協議し、明日には最終的な対象リストを公表する予定。中国からは700億ドル規模の米製品の輸入が提案されていたが、トランプ政権はそれを受け入れない方針のようだ。  ポンドもユーロ急落に連れ安した。また、来週も英政治リスクが高まっていることもポンドを圧迫しているようだ。今週、英上院が提出したEU離脱法の修正案を下院が否決した。修正案はメイ政権がEU離脱協議で、EUと合意した内容を議会が拒否できる内容で、成立すればメイ政権は手足を縛られる危険性があった。  修正案が否決された背景には、土壇場で与党・保守党内の親EU派議員にメイ首相が一定の譲歩を約束したことにある。ただ、その後の協議で双方が受け入れられる法的文言で一致できずにきょう、交渉が決裂している。親EU派議員は上院で新たな修正案を提出する準備に入っており来週、再び法案を巡る不安定な動きが出る危険性が高まっている。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美