【NY市場】終盤に伸び悩むもドル円は一時111円手前まで上昇

 きょうのNY為替市場、終盤に入ってドル円は伸び悩んだものの、一時110.94円近辺と111円手前まで上昇した。全体的にはドル売りが優勢だったが、円安の動きも見られドル円は堅調に推移。きょうは期末で日本時間0時のロンドン・フィキシングの動きが注目されたが、ポジションはドル超過だった模様でフィキシングにかけてドル売りが強まった。ドル円も一旦上値が抑えられていたものの、ロンドンフィキシングを通過するとドル売りも一服し、終盤にかけて上値追いの動きが強まった。  しかし、米株式市場がひかけにかけて急速に戻り売りに押されたことでドル円も伸び悩んでいる。貿易問題への懸念は依然として燻っており、きょうもトランプ大統領がWTOからの脱退を検討しているとの報道が流れドル円は急速に売られる場面が見られた。ムニューシン米財務長官がその報道を否定したことから事無きを得たが、上値での戻り売り圧力も根強い。111円台は簡単ではなさそうだが、きょうの動きでテクニカル的には上値期待が高まっている。  なお、GMが自動車関税の影響で米国で人員削減の可能性とのニュースが伝わっていたが、株式市場と伴に特にネガティブな反応は見られていない。貿易問題は今後も燻り続けるものと思われるが、市場は一旦それを消化させ、ファンダメンタルズに意識を戻すか来週以降の動きが注目される。  きょうはユーロの買い戻しが強まり、ユーロドルは1.16ドル台後半まで一気に上昇。東京時間にEU首脳会議で、首脳が移民問題で合意したとのニュースに安心感が広まった模様。ひとまずメルケル首相率いる連立政権の崩壊は回避できぞうな情勢だ。伝わっている合意内容は、国境管理の強化、亡命希望者に対するセンター設立、亡命の可否を決定するプロセスの迅速化などとなっている。メルケル首相の方針に反対姿勢を示していた連立パートナーのキリスト教社会同盟(CSU)も好意的な反応を示しており、ひとまず市場には安心感が広がった格好。しかし、肝心の各国の引き受けスキームに関しては玉虫色だ。  ユーロドルは1.1670ドル付近に来ている21日線を上抜いており、来週以降の動きが注目される。  ポンドも買い戻しが強まり、ポンドドルは1.32ドル台を回復。昨年11月以来の安値からようやく一服といったところで、ロンドン時間に発表になった英GDP確報値が上方修正されたこともポンド買いを後押しした。  ただ、EU離脱問題に関する進展は見られず、ハードブレクジットの危険性もなお残る。EU首脳会議でも英離脱問題について議論したが進展はなかった。メイ政権への不安も高まる中、まだポンドを積極的に買い上がる雰囲気まではないものと見られる。来週は6月分のPMIが発表される週。予想では第1四半期に低下したセンチメントから抜け出す気配はない。8月の利上げ期待は依然として根強いものの、なお、ポンドは下振れリスクが残る。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美