【NY市場】米国債利回りのフラット化の修正続き、ドル円も買い続く

 きょうのNY為替市場でドル円は買い戻しが続き113.45円付近まで一時上昇した。きょうも米国債市場で10年債利回りが上昇するなど、イールドカーブのフラット化の修正が続いており、ドル円をサポートした。米株も利益確定売りが入るものの底堅さも堅持しておりドル円の支援となっていたようだ。  12月12日の高値113.75円付近が意識される展開となってきたが、テクニカル的には21日線でしっかりと反転し、きょうは10日線も上回ってきている。このまま年末にかけて115円を目指せるか注目されるが、そこまではまだハードルが高そうだ。  午後になって米下院が税制改革法案を再採決で可決した。法案はトランプ大統領に送られ署名を待つ。ホワイトハウスは後日、大統領が署名するとしているが、成立はほぼ確実といった情勢。しかし、為替市場は既に十分織り込んでおり、それ自体への反応は限定的となっている。  今回の税制改革は幅広く米納税者に恩恵が出るが、一方で減税に伴う成長を加味しなければ、向こう10年で1.5兆ドルの赤字拡大との試算も出ている。為替市場がこれを財政赤字拡大への懸念と捉えるかは来年以降の隠れた注目点の一つではある。  明日は日銀決定会合の結果発表が予定されている。政策変更無しが確実視される中、市場は黒田総裁の会見に焦点をあてている。出口戦略、金融緩和の副作用などへの言及があるか注目だが、現段階でそれを強調することはないものと思われる。  一方、ユーロも買いが強まった。ユーロドルは先日のECB理事会後のドラギ総裁の会見直後につけた1.1860ドル水準を突破し、一気に1.19ドル台を付ける場面も見られた。米税制改革法案成立への期待からユーロドルの下値を見込んでいた短期筋のストップロスを巻き込んだものと見られる。来年もユーロ高継続に期待した買いも追随していたのかもしれない。1.19ドル台の上値レジスタンスとしては1.1940ドル付近と直近高値の1.1960ドル付近が意識される。  欧州債利回りの上昇もユーロをサポート。前日の理事会メンバーのタカ派な発言を引続き材料視しているようだ。一方、短期金融市場では、-0.4%のマイナス金利を採用している中銀預金金利の利上げを見込んでいるが、その開始時期の予想が先週は2019年7月だったが、今週は2019年3月まで早まっている。  ポンドドルも買いが優勢となり1.34ドル台に一時上昇。きょうも米国債利回りは上昇しているものの、ドル買いの雰囲気はさほど高まっておらず、ポンドドルは買い戻しが優勢となった。21日線が1.3385ドル付近に来ておりサポートとなっている模様。ただ、終盤にメイ政権のナンバー2ともされるダミアン・グリーン筆頭国務相の辞任が伝わったことで伸び悩んでいる。  英中銀が企業調査を発表していたが、賃金交渉について企業は、今年の2.0~3.0%から来年は2.5~3.5%に伸びるとの見方を示していた。前日に英国家統計局が発表した7-9月期の単位労働コストは前年比3.0%、前期比では1.1%増となり、時給は2.5%上昇していた。この結果を見て一部からは次回の利上げは来年5月との強気な見方も出ている。しかし、EU離脱交渉も今後、第2フェーズの通商交渉に入る中、難航も予想されており、ファンダメンタルズへの影響も警戒される中、タカ派な見方はまだ少数派のようだ。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美