【NY市場】米保護主義の動きにリスク回避強まる ドル円は一時105円台前半

 きょうのNY為替市場はリスク回避の雰囲気が続く中、ドル売り・円高が強まった。トランプ大統領の鉄鋼やアルミの輸入への関税措置による保護主義の動きに市場は関心を強めている。そのような中、大統領からのツイッターが雰囲気を更に掻き回した。大統領は「貿易戦争は良いものだ。勝つのは簡単」とツイートしている。各国から非難が相次いでおり、EUは35億ドル相当の米国からの輸入に25%の関税を課す計画も検討しているとの報道も伝わっていた。  株式市場が依然として不安定な中、ドル円は105円台に下落。見切り売りを加速させ、一時105.25円付近まで下落した。その後は米株式市場が下げ渋ったことから105.75円付近まで戻している。  円相場に関しては日銀の黒田総裁からの発言もドル円を圧迫した。総裁は「19年度頃にはインフレが2%に達成する可能性が高いと確信しており、当然のことながら出口をそのころに検討し、議論しているということは間違いない」と述べていた。ある意味自然な話でもあり、市場の反応は行き過ぎとは思われるが、総裁の口から「出口」という言葉が出ると敏感になるようだ。  ユーロドルは1.23ドル台を回復。1.2330ドル付近まで上昇し、21日線に顔合わせした。前日は1.21ドル台まで下落し、チャートは下向きの兆候を示すダブルトップを形成したが、一時的な動きに留まった。ショート勢の撤退の動き出ていたようで、きょうは買戻しが活発化している。  来週はECB理事会が予定されている。ガイダンス変更で見方が分かれているようだが、市場のボラティリティが高まる中、ECBが出口戦略を強化するにはタイミングが悪い。協議はされるものと思われるが、大幅な変更はないとの見方が有力。ただ、ドラギ総裁の会見で協議に関して何らかの発言があるようであれば反応する可能性は留意される。  ポンド円も売りが強まり144円台まで一時下落する場面も見られた。200日線からきょうも下放れする動きが見られており、下向きのトレンドを強めている。  EUから英国に離脱協定草案が提出されているが、それに関してきょう、メイ英首相の演説が行われていた。「英離脱交渉では両側とも望み通りにはならない。悪い合意ならない方がまし」などとEUからの提案に拒絶を示していた。しかし、具体的な中身も無く、明確な対策も示されなかったことから反応は鈍い。  さすがに急速な下げで過熱感も出ており、RSIは下げ過ぎ感を示す30を下回っている。昨年8月以来の水準まで低下しており、一旦買い戻しの動きも欲しいところではある。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美