【NY市場】米中への懸念とファンダメンタルズの間で神経質な展開が続く

 きょうのNY為替市場は神経質な展開とり、小幅な値動きに終始した。市場では米中貿易問題がエスカレートするのではとの懸念が強まっており、各国の株式市場が下落する中、為替市場はドル売りの反応が見られていた。  トランプ政権は500億ドル規模の中国からの輸入品に制裁関税を課すことを発表した。第1弾は7月6日に発動。一方、中国も対抗措置として500億ドル規模の米国からの輸入品に対して報復関税を課すと発表している。こちらも7月6日に発動。  ただ、ドル売りが優勢となったものの、下押す動きまでは出ていない。米中貿易問題はエスカレートしそうな気配も見せているが、世界経済への影響がどの程度か未知数な部分も多く、更に7月6日までまだ交渉の余地もあることから、為替市場には冷静な受けとめも見られる。  また、先週のFOMCやECB、日銀の金融政策会合を経て、米国と他国との金融政策の格差が更に鮮明になる中、ファンダメンタルズ的にはドル売りを強めるインセンティブはない。  ドル円は110円台半ばで振幅。東京時間には一時110.30円近辺まで下落していたが、200日線が控える110.25円の水準はしっかりと維持されており、リバウンドの流れは堅持している。米中貿易問題への懸念が一服するようであれば、5月高値の111.40円を目指す展開も期待される状況にまだ変化は出ていない印象。  目先は200日線が控える110.25円が下値サポート、一方、先週高値の110.90円付近が上値レジスタンスとして意識される。  ユーロドルは買い戻しが入っており1.16ドル台を回復している。ドイツのメルケル連立政権への懸念が高まっており、ロンドン時間の朝方には1.1565ドル付近まで下落し、下値を試しに行く動きも見られた。しかし、先週の急落から、下値では押し目買いも入っている。  しかし、先週のECB理事会を受けての急落で下値警戒感は根強い。ECBは先週の理事会で2019年夏までの金利据え置きにコミットしたが、一方で夏以降の利上げも期待されるころではある。しかし、2019年の利上げ期待がさほど盛り上がっておらず、市場からは悲観的過ぎとの声も出ている状況。  きょうからポルトガルのシントラでECBのフォーラムが開催されるが、今回はECB理事会の直後ということもあり、理事会の内容から逸脱したものはなく無難な通過になるのではとの見方が多い。  ポンドは上値の重い展開が続いている。今週は大きく2つのリスクがポンドにはある。1つはEU離脱法案の修正案の議会での審議で、きょうは英上院で行われており採決される予定。更に英中銀金融政策委員会(MPC)が木曜日に予定されている。英中銀は第1四半期の減速は一時的要因としており、それを裏付ける指標も出てきている。しかし、まちまちで完璧ではない。市場には8月の利上げ期待も出ているが、今回のMPCでその可能性が高まるかは未知数。