【NY市場】米中の緊張が高まるも円高は見られず ユーロは買い戻し

 きょうのNY為替市場、ドル円は110円台半ばでの推移が続いた。きょうのドル円は日銀決定会合などを受けて一時110.90円付近まで上昇したものの、ロンドン時間から戻り売りが強まった。トランプ大統領が500億ドル規模の中国からの輸入品への制裁関税措置を承認した。事前に伝わっていた内容ではあったが、中国が報復した場合には追加する可能性も付け加えている。その中国は早速、同規模の報復関税を課すと表明している。  関税措置は1102品目に及び、第1弾は7月6日から340億ドル規模の輸入品に制裁関税を課す。第2弾が160億ドル。一方、中国も同日の7月6日から農産物、自動車など500億ドル規模の米輸入品に報復関税を課すと発表した。  双方、発動まではまだ3週間ほど時間があることから、交渉の余地は残っているものと思われるが、市場はネガティブな反応を見せた。  米株が下落したほか、きょうは原油も金も米国債利回りも下げており、リスク許容度の低下が見られている。しかし、為替市場では円高の動きが強まった印象まではない。むしろ、ユーロドルが前日の急落から買い戻しが入っており、それに伴うドル売りがドル円を圧迫していたようにも思われる。実際、ユーロ円やポンド円は上昇した。  ドル円は上値は重いものの、110.50円を割り込むと買いオーダーも断続的に入り、底堅さは堅持している印象。今週のFOMCは、年内あと2回の利上げを見込むなどタカ派な印象が強かった。市場では12月の利上げ確率を50%程度で織り込む動きが出ている。一方、日銀は消費者物価指数(CPI)の見方を下方修正するなど、依然として出口戦略には程遠い状況。  市場がフォンダメンタルズに焦点を戻せば、日米金融政策の格差がドル円を押し上げるとの期待が根強くあるのかもしれない。  ユーロドルは買い戻しが入り1.16ドル台を回復。一時1.1625ドル付近まで上昇。前日はECB理事会を受けてユーロは急落した。高値から300ポイント近く急落し、きょうは1.1545ドル付近まで下げ幅を拡大する場面も見られた。  特にユーロを買い戻す材料は見当たらないが、前日の急ピッチな下げに、さすがにショートカバーも入っていた印象。ただ、上値では戻り売りのオーダーも観測されている模様で、目先は5月安値の1.1510ドルを意識する展開は続いているものと見られる。  ポンドも買い戻しが優勢となった。前日はユーロに連れ安する格好で下落したが、きょうはユーロの買い戻しに同調している。来週は英中銀金融政策委員会(MPC)が予定されている。政策は据え置きが確実視されているものの、声明や政策委員の投票行動などが注目される。前日の英小売売上高は第1四半期の減速が一時的であるという英中銀の見方を裏付ける内容となった。このところ発表されている英指標は回復を示す内容も相次いでいる。  いまのところ市場は、8月の利上げ確率を50%程度で織り込んでいる。今回は政策は据え置かれるものの、利上げに関して何らかのヒントが出るか注目したいところではある。前回のMPCでの政策委員の投票は7対2での据え置きだったが、6対3に変化するようであれば、8月の利上げ確率は高まりそうだ。ただ、ポンドの場合、議会での英離脱法案の行方はリスクとして意識される。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美