【NY市場】狭い範囲での値動きに終始 上にも行けず下にも行けず

きょうのNY為替市場、地政学リスクへの懸念は後退しているものの市場は様子見気分が強くドル円は107円台前半の狭い範囲での値動きに終始した。  前日の日米首脳会談では通商問題に関して特に警戒感を高めるような発言もなく無難な通過となった。きょうは2日目が行われているが、通商問題を中心に協議が行われる見通し。前日の首脳会談後の様子からは特にトランプ大統領から厳しいツイートが出るような雰囲気はなく、きょうも無難に通過できるのではとの期待感もあるようだ。  ドル円は前日106円台に値を落とす場面も見られていたが、下押しすることもなく107円台は維持している。しかし、上値は重く、上にも行けず下にも行けずの状況だ。  株式市場も落ち着いて来ており、ボラティリティも低下する中、ドル円も上値を追っても良さそうだが、トランプ大統領の保護主義政策からドルに対する下値警戒が根強く上値は重いようだ。  現在は10日線付近で推移しているが、107.50円付近に接近すると売りオーダーも並んでいる模様。一方で107円付近ではショートカバーも入るようだ。  一方、ユーロドルは1.23ドル台後半で推移。ロンドン時間の序盤には1.2340ドル近辺まで下落していたものの、その後は買い戻しが優勢となり、1.24ドル手前まで上昇する場面も見られた。しかし、上値を追う雰囲気まではなく上値を拒まれている。  ユーロドルはレンジ内での取引がここ数ヵ月続いている。底堅さは見せているものの、直近発表になっている経済指標が不調で、ECBの出口戦略に確信を持てない状況のようだ。この日発表のユーロ圏消費者物価指数(CPI)の確報値も総合指数は速報から下方修正されていた。コア指数は修正が無かったものの、前年比で1.0%と、その水準での推移が続いており上昇の気配までは見られていない。    来週はECB理事会が予定されているが、少なくともタカ派なトーンになる雰囲気では無さそうだ。  きょうはカナダ中銀の金融政策委員会の結果が発表になり、それを受けてカナダドルは売りが強まっている。カナダ円は84.70円近辺まで一時下落した。  政策金利は大方の予想通り据え置きとなったものの、声明では前回同様に金利見通しに関して「慎重(CAUTIOUS)」の表現を残している。成長見通しにつても従来と変わらず、輸出や第1四半期の成長低迷も指摘していた。全体的にハト派な印象でカナダドルの売りに繋がった模様。  ポンドは売りが優勢となり、ポンドドルは続落。前日は1.4375ドル付近まで上昇したものの、きょうは一時1.41ドル台まで下落。この日発表になった英消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことで利益確定売りが強まったようだ。  ただ、英CPIが予想を下回り、5月利上げの確率も下げているものの依然として80%超の確率で織り込んでおり、利上げ期待はかなり高い。なお、英上院はきょう、メイ首相にEU離脱後も関税同盟に留まるよう求める修正案を可決した。メイ首相は上院で初めて敗北した格好だが、修正案は下院に差し戻され、下院はこれを拒否することができる。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美