【NY市場】株高による円安も引け際にドル円は下落

 きょうのNY為替市場は円安の動きが優勢となりドル円は111円台での推移が続いていた。前日に引き続き株式市場の買い戻しが続いていることがサポートしているようだ。  特に好材料はないが、貿易問題への懸念が一服しており市場はリスク許容度を上げている。先週金曜日にトランプ大統領が対中制裁関税措置の第1弾を発令し、中国も即座に報復の方針を示していた。米中貿易戦争への懸念が強まっているものの、先週の市場の反応は意外に冷静だったことから、ひとまず一服感が広がっている模様。  市場は今回の関税措置に対するマクロ経済への影響を見極めたい雰囲気や、一部からは米経済が堅調なことから悪影響が吸収されるのではとの楽観的な見方まで聞かれる。そのほか今週から始まる米企業決算への期待感もあるようだ。   ただ、引け際にブルームバーグが関係者の話として、米当局が2000億ドル相当の対中関税リストを公表の方向だと伝えたことで、急速にドル円は売りが強まり、一時111円を割り込んでいる。  ユーロドルはNY時間に入って買い戻しが優勢となり、1.1745ドル近辺まで戻している。貿易問題への懸念が緩む中、ドル買いが優勢となり、ロンドン時間に1.17ドルを割り込む場面も見られた。ただ、1.17ドル台を割り込むと押し目買いも出るようで1.17ドル台は維持されている。  トランプ大統領の関税措置がドイツ企業の景況感を悪化させている模様。この日発表になったZEW景況感指数は前回から大きく低下し予想も下回った。特に自動車産業の景況感の落ち込みが全体を圧迫しており、トランプ大統領による輸入車への25%の関税措置を警戒してドイツの自動車業界のセンチメントは低下している模様。  ポンドは下げ一服。きのうはジョンソン外相の辞任でメイ首相の政治リスクが高まりポンドは急落していた。しかし、新たな外相が決まったこともあって、きょうはその下げを一服させている。ただ、政治リスクへの懸念が払拭されたわけではなく上値は重い。  きょうから英国家統計局は月次GDPの発表を開始している。3-5月期のGDPは前期比0.2%、5月単独では前月比0.3%となった。個人消費が伸びが寄与しており、第1四半期の低迷から回復の兆候を見せている。政治リスクや貿易問題への懸念はあるものの、8月の英利上げ確率は80%程度で推移しており期待は高まっているようだ。  なお、今回の月次GDPの発表開始により、これまで速報値・一次改定値・二次改定値と3回発表されてきたGDPは、速報値と改定値の2回に変更される。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美