【NY市場】後半にドル買い戻し ロス商務長官の発言も

 きょうのNY為替市場、後半になってドル買い戻しの動きが優勢となった。特段のドル買い戻しの材料も見当たらなかったが、ロス商務長官の発言に敏感に反応したとの指摘も聞かれた。長官は「貿易問題で米中の隔たりはなお大きい。EUとの協議は継続しており、6月1日までに合意しなければ鉄鋼への制裁関税を発動する」などと述べていた。  米中貿易戦争に対する為替市場の反応は対新興国通貨を中心にドル高の反応が見られている。ただ、前半のNY為替市場は先週からのドル売りの流れが継続していた。トランプ大統領は、米政府の制裁で苦境に立った中国の通信機器メーカーZTEについて、「速やかに事業に戻る方策を同社に示すため、習主席と協力している」とツイートしたことが、市場に安心感を与えていたようだ。  ドル円は109円台半ばでの上下動。序盤はドル自体は戻り売りに押されていたものの、ユーロ円やポンド円の買い戻しが優勢となったことから、円安にサポートされていた。米国債利回りが上昇したほか、米株高、原油高も続いており、ある種リスク選好的な雰囲気も見られている。午後に入ってからドル買いの動きが優勢となったが、今度は円高の動きもあり相殺された格好。  先週跳ね除けられた110円台はまだ視野に入っているが、ドル買いのフォローが緩んでいる中では慎重な動きも想定される。先週発表の米消費者物価指数(CPI)や、市場はなお十分に織り込んでいない米中貿易戦争の円高リスクから、ドル円のショートを推奨する声も一部で出ていた。  一方、ユーロドルは前半に買い戻しが優勢となり、一時1.1995ドル付近まで上昇。さすがに心理的節目の1.20ドルちょうどを前に戻り売りも強まり伸び悩んだ。1.20ドルちょうどから200日線が控える1.2020ドルまでは、オプション絡みや実需など戻り売りオーダーも大量に観測されている模様。後半はドル買い戻しが強まったことで1.1935ドル付近まで押し戻されている。  ポンドも後半は伸び悩んだものの、前半にポンドドルは1.36ドル台、ポンド円は149円台を一時回復していた。先週の英中銀金融政策委員会(MPC)と英インフレ報告ではポンドはネガティブな反応を示していた。しかし、市場は8月利上げの可能性をまだ十分残しており、カーニー総裁も年内の利上げの可能性を排除しておらず、ポンドも買い戻しが出ているようだ。第2四半期の経済指標の改善に期待したいといったところのようだ。  明日は3月の英雇用統計が発表される。注目は平均賃金になりそうだが、ボーナスを除いた3ヵ月平均で前年比2.9%が見込まれている。雇用増加数も強い数字を見込んでいるようだ。もし、予想通りであれば、雇用はしっかりしていたことが示され、4-6月のデータへの期待感も高まるかもしれない。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美