【NY市場】ドル買い優勢 短期金利上昇やナバロ氏の発言が買戻しを支援

 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。朝方発表のNY連銀指数や輸入物価指数が予想を上回ったことや、短期金融市場でドルのファンディングコストが上昇していることもドル買い戻しを誘っているとの指摘も聞かれる。ドルの3ヵ月物LIBORは約10年ぶりの水準まで上昇してきている。  対中強硬派として知られるナバロ国家通商会議(NTC)委員長のインタビューが伝わり、「関税は必ずしも貿易戦争は引き起こすことはない。我々は米国民にとっても、国際貿易システムにとっても良い方法を取る」と語っていた。市場は貿易戦争への懸念を高めている中、ナバロ氏の発言は懸念を一服させていた模様。  ドル円は106円台を回復。ただ、上値は依然として重い印象。今週のドル円は一時107円台を回復するなど反転の兆しも見せていたが、失速している格好。心理的節目の105円が視野に入るとの声も再び出始めている。  トランプ政権が中国をターゲットに保護主義色を強めておりまた、財務省文書問題での安倍政権の求心力低下への懸念も頭をよぎる中、ドル円の上値へのモメンタムが高まらないのかもしれない。  ドル円は株伸び悩みと伴に一時105円台に下落する場面が見られた。ロシア疑惑を捜査しているモラー米特別検察官が、トランプ大統領の投資会社で現在は息子が承継しているトランプ・オーガナイゼーション社に対し、ロシア関連を含む書類を精査するために召喚状を出したとの報道が流れたことがきっかけとなったようだ。トランプ大統領のロシア疑惑に関連した情報に関しては市場も慣れっことなっていたが、今回はトランプ大統領の会社ということで、トランプ大統領の召還に近づいているとの印象が広がった模様。  景気の先行き期待は根強いもののインフレに関しては、先週の米雇用統計の平均時給や今週の米消費者物価指数(CPI)の結果から足元はまだ上昇の気配を見せていない。  来週はFOMCが予定されているが、利上げは確実視されているものの、既に十分に織り込まれている状況。注目はFOMCメンバーの年内の金利見通し(ドット・プロット)になりそうだが、昨年12月と変わらず、今回の利上げを合わせて年内3回との見方も増えつつあるようだ。  ユーロドルは1.23ドルちょうど付近に下落し、21日線を再び下回っている。ドル高も然ることながらユーロ安でもあった。対ポンド、円でもユーロは下落しており、ユーロ円は130円台と200日線を再び下放れる展開が見られている。  前日はECBのコンファレンスが開催されていたが、ドラギ総裁は、為替の水準がインフレ見通しに悪影響を与える可能性に言及していた。先週のECB理事会同様に慎重姿勢を強調している。  市場では現在、9月まで予定している資産購入が終了した後のシナリオをめぐって意見が分かれている。そのまま資産購入は9月で終了との見方の一方、年内一杯は継続され、10月以降は月100億ユーロペースで続けるとの見方もあるようだ。いまのところメインシナリオは後者か。  ポンドドルも1.39ドル台前半に一時下落。今週に入って全体的なドル安の動きも手伝ってポンドドルは上値追いの動きを強めている。しかし、この2日間は1.39ドル台での上下動に終始している状況。この局面で1.40ドル台を完全に回復できなければ1.37ドル台まで失速するとの見方も出ているようだ。  来週の重要イベントが決着をつけてくれるのかもしれない。英中銀金融政策委員会(MPC)とEU首脳会議が週後半に予定されている。MPCは政策変更はないものと思われるが、声明では利上げの可能性に言及するとも見られている。市場は5月利上げの可能性を高めている状況。  最大のリスクはEU首脳会議であろう。EU離脱後の移行期間について何らかの合意が期待されている。しかし、ここ数日、両者の溝が埋まらず合意にはまだ不十分との指摘も出ている。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美