【NY市場】ドル円は113円台を維持できず 株調整一段落までは買いづらいか

 きょうのNY為替市場は、朝方発表になった米消費者物価指数(CPI)や小売売上高は予想を上回る内容となったものの、為替市場の反応はドル売りとなった。CPIのコア指数は前年比1.8%と1月以来の上昇で米利上げ期待を裏付ける内容と思われるが、今回の指標を機にドルロングを大量に処理する動きが出たのかもしれない。  動きが一巡すると指標を再認識する動きも出ていたのか、その後はドルの買い戻しが強まったている。ドル円は指標発表直後に112.50付近まで下落していたが、一時113円台に戻す場面も見られた。ただ、上値は重く113円台は維持できていない。  きょうの下げでテクニカル的には上昇トレンドに黄色信号が点灯している。21日線からも下放れしており、10日線と21日線のデットクロスも示現しそうな気配。  米税制改革法案への不透明感が依然として根強い。明日米下院共和党が自身の法案で投票実施を予定しているが、上院と下院でそれぞれ個別に法案を可決した後に、両院が協議とも言われているなか、ドルの上値はしばらく重い可能性も留意される。  きょうも米株式市場は大きく下げており、少なくともドル円に関しては、株式の調整が一段落するまでは積極的に買いを入れづずらいようだ。  ユーロドルは一時1.1860近辺まで上昇したが、その後は戻り売りに押され1.17台に伸び悩んでいる。きょうは上に往って来いの展開。ただ、前日の急伸で買いのサインも出ており、再びユーロに資金が集まり出しているとの指摘も聞かれる。きょうは実需買いも観測されていた。  前日発表になったユーロ圏やドイツのGDPが景気回復を裏付ける内容だったが、一部からはユーロ発足以来最も景気回復を鮮明にする動きがこのところ見られているとの見解も出ている。ECBは慎重姿勢を堅持しているものの、来年の9月で量的緩和拡大は停止されるとの期待もあるようだ。  前日からきょうにかけての急上昇で100日線を上放れる展開が見られている。日足チャートも逆三尊を形成しており、テクニカル的には買いサインが点灯といったところではある。目先の上値レジスタンスとしては、10月12日高値が1.1880付近、更にフィボナッチ61.8%戻しが1.1895付近にあり意識される。  ポンドドルは1.31台での上下動が続いた。ドル売りの流れにポンドドルもロンドン時間には1.32台を回復する場面も見られた。しかし、この日発表の英雇用統計を受けて急速に戻り売りが強まっている。  今回の英雇用統計からは、緩やかな成長は見込めるものの、完全雇用にはまだ遠く、次回の利上げは2019年以降との市場の一部の見方を裏付ける内容ではあった。  ポンドに関しては依然としてメイ政権への不安が根強く、EU離脱交渉も不透明感が強い。EU離脱交渉が12月のEU首脳会談までに進展がなければ、ポンドは更に売りが強まるとの見方が根強い。一方、年内に移行プロセスを合意できれば逆にポンド買いが強まる可能性もある。可能性としては半々といった状況のようだ。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美