【NY市場】ドル円は先週高値を一時上回るも、FOMC前に様子見

 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。この日発表の米生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったことがドル買いのきっかけとなっている。米国債利回りやダウ平均の上昇もドルをサポート。ただ、午後になって米30年債入札が好調だったことで、米国債利回りが上げ幅を縮小し、ドルも上げを一服させていた。  ドル円は一時113.75円付近まで上昇し先週の高値を一時上回った。今週に入って底堅さは堅持しているものの、米税制改革法案の年内成立期待も一服しており、次の材料待ちの雰囲気も見られる。明日はFOMCの結果発表が予定されているが、まずはそれ確認したいといったところのようだ。  なお、FOMCは利上げが確実視されているが、既に織り込み済みで、注目は経済見通しやFOMCメンバーの金利見通し、そして、イエレン議長の会見などから新たな材料が出るか注目される。  途中、ドルが急速に売られる場面があった。米上院共和党のポール議員のツイッターが伝わり、「財政を破綻させるような歳出拡大法案には反対する」とツイート。先日の上院の税制改革法案でも共和党で1人だけ反対していた。  アラバマ州の上院補欠選挙が気掛かりなところではある。共和党のムーア候補が、過去に未成年女性にわいせつ行為をした疑惑が相次ぎ浮上しており苦戦している。もし、民主党のジョーンズ候補が勝利するようであれば、議席数は51対49の僅差となる。今後もインフラ法案など財政拡大策を盛り込んだ法案提出が予定される中、上記のポール議員が反対姿勢を強硬するようであれば法案通過は難しくなる。  ドル円はテクニカル的には10日線と21日線のゴールデンクロスも示現しており、リバウンドの流れが継続しているが、21日線からの上方かい離も開いていることから、114円に接近すると戻り売りも強まるようだ。いずれにしろ明日のFOMCを受けての反応待ちといったところ。  一方、ユーロドルは売りが加速し、一時1.1720ドル付近まで下落。先週の安値が1.1730ドル付近に来ていたが、その水準を下回る場面も見られた。目先は11月に付けた安値1.1715ドル付近が意識される展開。  前日は一時1.18ドル台を回復したものの上値を維持できず、更にきょうは1.1790ドル近辺まで上昇したものの、1.18ドルを回復できずに上値を抑えられている。  先週の下げで10日線と21日線のデットクロスも示現する中、前日は21日線や100日線に跳ね返された格好で、テクニカル的にも下向きのサインが出ている。そのような中、上値の重さに短期筋が一旦の見切売りを出したものと見られる。  ポンドは軟調で対ドルで一時1.33ドルちょうど付近まで下落。この日は英消費者物価指数(CPI)が発表されていたが、発表後からポンドは上下動した。CPIは前年比3.1%と予想を上回った。3%を超えたことで英国の場合、カーニー英中銀総裁がハモンド英財務相に説明書間を送付することになっているが、説明の内容は恐らくポンド安など前回と変わらない内容になるものと見られている。英中銀はインフレ上昇はピークに近づいているとの認識を示しており、そのことも付け加える可能性もありそうだ。  他の住居費も含めたCPIHは予想を下回り、小売物価指数も予想を下回っていたことから、ポンド高の反応は一時的となったのかもしれない。きょうのCPIは予想こそ上回ったものの、少なくとも市場は、利上げ期待を復活させる内容とは見ていないようだ。きょうの下げでポンドドルは21日線を下回っており、明日以降の動きが警戒される。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美